愛は惜しみなく与う⑥
「それならもう大丈夫です。ここにくる途中になんとかしましたので。もう気にすることはないですよ」
志木さんはにこりと笑った
さすがだよね。どうやったんだろう…
…聞かないでおこう
そして志木さんの言う通り、チラチラと見られるが、誰も話しかけてこないし、喧嘩をふっかけてくることもなかった
よかったよ
でも
女性2人組は黙ったまま
「関東って、チームに女ってあんまおらんの?」
昴さんは空気が悪すぎて嫌になったのか、俺たちのほうに来る
「そうですね…女の子がいるチームってほとんど無いかな。総長の彼女とかならたまにチームに居ますけど…喧嘩できる女の子はレディースかなぁ」
こっちではわりと普通らしい
現に、薔薇の幹部は、杏ちゃんも合わせれば、女3男2だから、すごいよね
「そうなんやー!俺らの周りって喧嘩強い女が多すぎて、まじで肩身狭いの。俺とか、杏に喧嘩挑んでコテンパンにされてから、仲良くなってん」
昴さんは懐かしいと笑う
コテンパンにね…杏ちゃんならしてそう