愛は惜しみなく与う⑥
「あぁ、大丈夫だ。外に出て今は自由になった」

『そうかよ。ならいい。あの馬鹿は?ちゃんと話せたのか?』

「馬鹿?……誰?」


泉……。あのな?自分で言いたくはないけど、朔が言う、あの馬鹿っていうのは…

あたしや!!!!!

自分で言いたくないけど!


『杏に決まってんだろ??話せたのか?』


泉がスピーカーにしてるのを知らないのか、はたまた一緒に今いるとも思ってないのか…


「杏のことか。うん、話せたよ。大丈夫」

『どう大丈夫か言えよ。言葉数、こんな時くらい増やせ!』


「……今から、杏と如月家にいくけど?」


さらりと言う
泉……それはなかなか衝撃的な発言なんやで?わかってる?


もどかしくなり泉の後ろから顔を出して、スピーカーに声が入る距離まで近づく



「朔!!!あたし!誰が馬鹿や!聞こえとるわ!」

『げっ!!杏居たのかよ!え?なんだよ。お前ら普通に2人で居て怪しまれねーの?』


どうなってんだよ!説明しろ!と怒る朔。泉は面倒そうにあたしを見た。

説明しろってことね…
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