愛は惜しみなく与う⑥

「なんで笑ってんの?」

「いや、その通りだなって思って」


これでもちゃんと自分の事は分かってるつもりやからな??
感情のコントロールができひんのは、ほんまに致命的やけど、仕方がない


「大丈夫。杏は杏のやりたいようにやればいい。俺は杏がそう出来るように、ずっとそばに居るから」


はぁ

泉ってこーゆう事言うよな??
なんか最近、泉がモテモテな理由が分かるよ。こんなサラリと優しい言葉かけられたら、コロッといくわ。

運転手も要らないといい、泉が運転してくれることになった。
普通は後部座席に乗るねんけど、助手席に座った


「杏?」

「ん?」


チュ


は?


運転席に座る泉の方に首を向ければ、サッと後頭部に泉の手が回り、オデコにキスをされた


「これで頑張れる。行こうか」



はぁ
なんやねん。
慣れへんから…やめてよな!!!

少し睨んでみるが、そんなあたしの顔を見て、かわいいと言ったもんだから諦めた


泉ってこんなんやったっけ?

受け入れてしまえば、ドロドロに甘やかされそうで怖いわ
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