愛は惜しみなく与う⑥
泉の覚悟
----
「冬馬様は御不在ですが…」
「いつ頃お戻りですか?」
まぁ、予想はしてたけど。おらんよな。なんかウロウロしてるイメージやもん。
「そうですね…奥様ならおられますので、奥様にお会いになられますか?」
「ええ、お願いしていいでしょうか」
「勿論ですとも。東堂家のお嬢様が冬馬様に会いに来られるなんて、嬉しいですわ。少しお待ちください」
入り口にいたメイドさんは、そう言って門の奥へ向かう。
ほらな
如月冬馬は、こうやって聞いてる分には、悪い奴じゃないように思える。
あの両親も…
すごく優しかったから
「杏」
「うん、分かってる。こういう事も含めて覚悟してきたから」
あたしは如月家を壊してしまう。
そういう葛藤もあった。言ってみれば罪のない人たちを巻き込む。
だからといって、もう引き返せない
サトルが如月家を継ぐのも、この家の為にならない筈やから
「どんな風に過ごしてるんだろうな」
「ん?」
「誰かを殺したかもしれない奴が、平然と生きてることが怖い。何を思って毎日を生きるんだろうって…思った」
「冬馬様は御不在ですが…」
「いつ頃お戻りですか?」
まぁ、予想はしてたけど。おらんよな。なんかウロウロしてるイメージやもん。
「そうですね…奥様ならおられますので、奥様にお会いになられますか?」
「ええ、お願いしていいでしょうか」
「勿論ですとも。東堂家のお嬢様が冬馬様に会いに来られるなんて、嬉しいですわ。少しお待ちください」
入り口にいたメイドさんは、そう言って門の奥へ向かう。
ほらな
如月冬馬は、こうやって聞いてる分には、悪い奴じゃないように思える。
あの両親も…
すごく優しかったから
「杏」
「うん、分かってる。こういう事も含めて覚悟してきたから」
あたしは如月家を壊してしまう。
そういう葛藤もあった。言ってみれば罪のない人たちを巻き込む。
だからといって、もう引き返せない
サトルが如月家を継ぐのも、この家の為にならない筈やから
「どんな風に過ごしてるんだろうな」
「ん?」
「誰かを殺したかもしれない奴が、平然と生きてることが怖い。何を思って毎日を生きるんだろうって…思った」