愛は惜しみなく与う⑥
そうやな
あたしも、サトルのことを殺そうとした身やから、それに関しては何も言えないけどさ。
もし殺してしまってたら
あたしはここで生きてないやろうな
「素直に話してくれるのか、そこは分からないけど、きっと理解ができるものではない」
「そうやな。ここまで酷い事が思いつくような奴や。そしてそれを実行できてしまう残虐さと力を持ってる。理解なんてするつもりはない」
せや。思い返せば、何もかもが理不尽すぎる
「もしかしたら、あたしが何かしてしまったんかなって思った事があって」
こんな事になってしまった理由はなんやろって、何回も考えた
あたしに恨みを持つ人は、正直いっぱいおると思う。薔薇のときに関西一帯のチームとはやり合ってボコボコにしてるし。
でもそんな感じじゃないのよな
「サトルは……あたしと何処かで出会ってるねん。それは分からへんねんけど、絶対そうやねん。覚えてないけど」
明らかにサトルは、初めて接触してきた時から、知ってる風やった。
まぁそれなりにあたしは有名やったけど、何か視線が不快で、秘密を握られてるような、そんな感じ
お前の秘密を知ってるって…言われたっけ