愛は惜しみなく与う⑥

目の前で泣き続ける鈴


結論から言えば、鈴はサトルに、杏様と繋がるために、いいように使われてた

という事です

どうしてここまで鈴は、操られてしまったのか

いや、今はそんな事よりも


「サトルが如月冬馬だということは、確実なんですね」


私がそう聞くと、コクリと頷いた鈴



そうですか

本当に時間がない

蘭様の電話はなんだったんでしょう。帰ってこいってことでしょうね。

私がかけ直さないとそろそろ杏様に直接連絡が行ってしまう。それは避けなければ。

まずは蘭様に電話をして…


サトルが婚約者ってことは、東堂のどこまで入り込んでるんですかね。
鈴の誕生日まで猶予があると思ってましたが…サトルの匙加減でいつでも最悪な展開を引き起こすこともできる


一旦鈴を病院に戻す？

頭の中で必死に考える
どれを選んでも最善とは言えない。


どうすれば

この事実をどう伝えればいい？



「ねぇ、志木」



声がかかりチラリと鈴をみる。今構ってる暇はないと言えば、お前が連れ出したんだろうと言われそうですけど…



「少し後にしてください」