愛は惜しみなく与う⑥
悔しいな 

邪魔なんて言葉で片付けられるなんて

怒りが込み上げてくるが、拳を必死に握り耐える。まだ聞かなあかんことがあるから。まだ耐えないと



「お前が後継者なら、俺の望みは叶うわけだ。だから妹を後継者じゃなくす為にはどうすればいいか考えた。普通だろ?目的のためにどうすればそれが叶うのか考える。普通のことをしただけ。

それがお前らと少しズレてるってだけだ」


悪びれもなく言うサトルは、ほんとうに何かが欠けてしまってる。



「でも、街で見かけたお前は、俺の感情を動かした女じゃなかった」


「え?」




「やっぱりお前は、人形みたいに絶望に満ち溢れた顔で、笑ってるのが似合うよ」


スッと伸びて来たサトルの手を振り払う


意味がわからへん
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