愛は惜しみなく与う⑥
「でも安心して。雄作さんが動いてくれてるんだ。烈火も守って欲しいって頼んだ。俺はサトルを知らないから、何をしてくるか予想しかできなかったけど…
いまこの短時間で話してよく分かったよ。きっと烈火や、マドリカまでも、サトルの狙う対象になる」
そう言われてドクンと心臓が跳ねた
1番こわい展開
あたしの知らないところで、あたしのせいで誰かが傷つく
「昨日から…既に雄作さんが手配してくれてるから、その辺は心配しないでいい。俺たちは、サトルに勝つ準備をしよう」
雄作さん…ありがとう
みんなありがとう
「で、サトルって何歳なんだ?」
「志木と同い年やと思ってたけど…」
「あの癇癪の起こし方、幼い頃で止まってそうだな。施設に居たって言ってたよな?」
そう
サトルは紗羅ちゃんと同じ施設に居たらしい。
施設に入る人たちの事情を知ってるわけではない。でも改めてサトルと話して思ったのは
とても幼い
欲しいものが手に入らなくて、喚いてる子供みたいやった
幼少期に何かあったんかなって思わせるような雰囲気。