愛は惜しみなく与う⑥

「落ち着いて思い出してみれば、あの時出会ったのが、サトルなんやとしたら……」


すぐに思い出せへんかった

あの時、鈴の誕生日会にいたあの男の人と、サトルは似ても似つかない。
顔つきも全く違ってる


でもあれがサトルなら…




「家に着くまで、話して?杏が思い出した人の事を」



泉に言われて目を閉じた



あの場所で出会った、あの人は…




あたしみたいに、退屈そうでそして、寂しそうな顔をしてた





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