愛は惜しみなく与う⑥

「志木、鍵かして?」

「はぁ…また飛び降りるんですか?」

「うん!勿論!!志木も来てくれるやろ?」

「……行きますよ」


可愛く首を傾げてみれば、ため息混じりに志木もうなずく。
だってこんな息の詰まる場所いてたら、あたし酸欠で死んでしまうわ


東堂家の人たちは勿論あたしのことは見ないけど、パーティーに参加してる他の人たちも、訳ありな事を知ってるのか、腫れ物に触れるように…いや、もはや、触れられもせん。

みんなあたしをスルーする


あたしと目を合わす人もおらん


はぁ

まぁいいよ。慣れた

でも気分は悪いから、早くみんなに会いたい。美奈子と敦子があたしが来るまで倉庫でバイク吹かしまくって待ってるって言ってたからな!



ウキウキしてた

辛かったけど、みんなのことを思えば、楽しい気持ちが勝ったから 


でも相変わらず、胸糞悪い扱いを受けて、心底精神的にまいってるときに


ダンスパーティーが始まった


今や

志木は鈴と一回は踊らないとダメらしいから、先へ行く。


志木が他の人に優しくしてるのを見るのが、あの頃は苦手やった。変な独占欲あったよな
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