愛は惜しみなく与う⑥
ここに来たのは秘密だと言い、女は2階の高さにあるバルコニーの手すりにフワリと座る
そのまま背を向ける
行ってしまう
誰かもわからないのに
もっとこの気持ちを教えて欲しいのに
どうしても…欲しいと思った
天使のようにフワリと宙に舞い、女は消えた
そうか
俺はこのために今まで生きていたのかもしれない。
このしょうもない世界で、なにも響かない世界で、この時のために…今まで耐えてきたんだ
……初めて感情が溢れ出す、この瞬間のために生かされていた
今まで感情を押し殺し、周りの人全て真っ黒に見えていた世界が、その日から変わった
そして自分でも手がつけれないほどに
貪欲に求めてしまう
殺してでも側に置いてみたいだなんて
最初は思ってなかったのにな
ドロドロとした執着心は、また新しい感情を呼び覚ました
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そのまま背を向ける
行ってしまう
誰かもわからないのに
もっとこの気持ちを教えて欲しいのに
どうしても…欲しいと思った
天使のようにフワリと宙に舞い、女は消えた
そうか
俺はこのために今まで生きていたのかもしれない。
このしょうもない世界で、なにも響かない世界で、この時のために…今まで耐えてきたんだ
……初めて感情が溢れ出す、この瞬間のために生かされていた
今まで感情を押し殺し、周りの人全て真っ黒に見えていた世界が、その日から変わった
そして自分でも手がつけれないほどに
貪欲に求めてしまう
殺してでも側に置いてみたいだなんて
最初は思ってなかったのにな
ドロドロとした執着心は、また新しい感情を呼び覚ました
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