愛は惜しみなく与う⑥
『あ、俺からもいいですか?』
控えめに泉が声を出す。
他に大きな傷はなさそうで安心しましたけど、相変わらずサトルは、武器を持ってるんですね…
『ちょっと色々あって…イライラして……3日以内に仕掛けてこいって…言いました』
だんだんと語尾が弱くなる
仕掛けてこいって…
はぁ
イライラするのは分かりますけど…
「こっちから挑発してどうするんですか」
できれば万全の準備を整えて、こちらから仕掛けるのが理想でした。
泉は、ごもっともですと呟く
『ちゃうねん…泉は、あたしが言い返せへんくて…フリーズしてしまって…ちゃんと守ってくれたし、言いたいことも全部言ってくれた…だから…』
はぁ。ため息が止まりません。そんな顔しないでくださいよ
だれも責めようなんて思ってませんよ…
「泉、杏様を守ってくれてありがとうございます。3日以内なら、サトルは3日目に仕掛けてくるでしょう」
まぁ、そうなるように、こっちがすでに仕掛けてるんですけどね。