愛は惜しみなく与う⑥
へんな話、サトルは長引かせても良い訳ですし。私たちが早く早くと思っているだけで、サトルはこの計画のために、何年も使ってるんですから…

今更長引いても何も思わなさそう

だから、こっちから仕掛けない限り、サトルは仕掛けてこないと思いますがね…


「サトルが仕掛けてこなかった場合どうしますか?誕生日会が始まってしまっては…杏様とサトルが2人になる機会が多すぎます」


誕生日会を台無しにしてもいいんですけどね。でも、杏様はそれを望まないし、そんな事をしては、今まで積み重ねてきたものが無くなってしまいますし…



『サトルは仕掛けてきますよ。そのためにかなり煽ったんだから』


泉は頬の傷を触りながら苦笑い
杏様はそれをみて、ため息を吐いた


『めちゃくちゃ煽り出すからビックリしたんやで?』

『俺の煽りで怒るなら、相当短気だな』

『弱そうで安心したとか言うねんで?どう思う?』


杏様は泉の肩を少し押しやり、カメラを覗き込み私をみた。
なる…ほど

泉がサトルを煽ってくれたんですね



「勝てますか?」
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