愛は惜しみなく与う⑥

「では、1人東堂組の人を紹介しますね」


志木さんに呼ばれて俺たちの前に来たのは、スキンヘッドのいかつい男


「信長さんです」


「お前らのことは俺が責任持って守るから、安心しとき」



そのインパクトのある見た目に押されて、誰一人返事しない。
そんな俺たちを志木さんは苦笑いしながら見ていた。


「信長さん、顔が怖いです。もう少しその顔何とかなりませんか?」

「こ、怖いか?嬢もいつも言う…怖くないのに」

「そうですね。信長さんは優しいひとですよ?顔はこんなんですが…」


もう一度じっくり見てみるが、やっぱり怖い


スキンヘッドに、切れ長の目に…
うん。ちゃんとみても怖いって



「あ、これ見てください」


信長さんはくるりと後ろを向いて、そのスキンヘッドの頭を俺たちの前にズイッと持ってきた。

そして


大爆笑してしまう



「な、何だよその頭!」

「ちょっと、ふざけてんじゃないわよ」


全員が笑ってしまった


そのスキンヘッドの後頭部には



『 嬢♡命 』


と刺青が入っていた
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