愛は惜しみなく与う⑥

必ずここにあるという数々の証拠

俺たちはそれを見つける。

そして杏を、解放してやる。


「じゃ、俺ら行ってくる」


いかつい人達が志木さんにそういうと、気をつけてください。と志木さんの顔が真剣になった。


「後は、信長さん、任せていいですか?私はあちらの指示に集中します」

「あぁ、大丈夫だ。行ってこい」


そのまま志木さんは小走りで横腹をおさえながら、乗ってきたバンに戻った。


取り残された俺たちは、信長さんいわく、ある程度中で組の人達が暴れてから、入る事になってるらしい。


「さて、俺らも覚悟決めるか」


昴さんはぐるりとみんなを見渡す。
泉がいないから、不安だったけど、この人達がいるから、少し安心できる


正直、警察も来るもんだと勝手に思ってた。そうだよな。今までの悪事が表に出ないのは、おかしいもんな。

警察に…協力者がいるよな



「おい、坊主」


肩をポンと叩かれて、声の方を見ると、信長さんのいかつい顔が視界に入る。

えっと…ドアップすぎる…
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