愛は惜しみなく与う⑥
「嬢の事が好きなのか?」
「は?」
どうも関西の奴らは、人の恋愛事情に首を突っ込みがちじゃねーか?
「みんな好きだろ?」
「そうだ。俺も嬢が好きだ」
信長さんはガッツポーズをしている。そりゃ、自分の頭に、嬢♡命って刺青いれるくらいだからな。
好きだろ
「でもあの金髪の男がどうも、嬢と距離が近い」
「え?泉にあったのか」
「そう、泉だ、そんな名前だった!俺のライバルになるかも知れない…」
困った困ったと信長さんは言ってる。
ライバルって?
「ちょっと、あんたまさか、杏の事好きって、女としてって事??」
聞いていて我慢できなくなったのか、美奈子が話に入ってくる。
いや、そうだよな?普通に好きなら泉は関係ないけど…
え?
「馬鹿!女は入ってくんな!同じ女を好きな男と男の話や!」
ば、ばかな……
杏を好きってそういう事???
パッと見ても、確実に30オーバーだぞ?むしろ30半ばに見えるぞ?
「待って、おじさん杏ちゃんのこと好きなん?ちょっとロリコンにならへん?」
敦子は信長さんをおじさんと言う…