愛は惜しみなく与う⑥
喧嘩とは違う

見たことのある血の量ではない。


「誰も死なない。大丈夫」


あまり説得力もないけど、ここまできたから、止まらことも出来ないから。


「信長!警察が来るまで15分だ!それまでだ」


途中で声がかかり、驚いた。15分で警察が来る?警察が来るまでに…証拠を探さなきゃいけない…んだよな?

ほとんどの教室も使える状態ではないくらい荒れていて、何かあるようにも見えない。


「1階はクリアだ。2.3階だ。急げ」


2階と3階を…15分で?無理だろ


「よし、分かれよう。俺たちは2階に。お前ら3階探してこい」

「ちょっと、バラバラになられたら、守に守れへん」

「時間がないから。こいつらのことは責任持って、俺が守る。いくぞ」


昴さんはそう判断して、俺と慧と敦子を連れて2階にきた。


「片っ端から探すぞ」


2階にもたくさん教室がある。これでも間に合わない気がする


「朔くん、あたしらはコッチから探そ」


2階にきて二手に分かれる
どんよりとした空間

窓も締め切られて夏の暑さで、この空間自体が猛烈な湿気と暑さ
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