愛は惜しみなく与う⑥
「理科室…なんかありそ」

敦子は足で理科室と書かれた扉を開き中に入る。

薬品なんかはなにも残っていない。
人体模型もない。俺、ホラー苦手だから…よかった。と安心したのも束の間…


「きゃ!」

「!?!?」


敦子の声で身体が飛び跳ねる
びっくりした!なんだよ

そう思って敦子を見れば、何かの棚を開けて固まっていた。


「なんだよ、大丈夫か?」


後ろからそれを除けば、血の気がひいた



「これ……」


「朔くん。手袋してや」

「あ、うん」


予め志木さんに渡された手袋を手にはめて、その棚からあるものを取り出す。


「……女の子の制服やね。随分…汚れてる」


そこにあったのはボロボロのセーラー服
泥やホコリがすごい。そして
血もついている


持ってきた袋に入れる


「まだ何かあるかも。探そ」


そしてその棚の隣に、あるものを見つけて、手が震えた。



「敦子…これ…」


開けた引き出しの中には、何かのアルバムが。そして、そこには…



「朔くん。見たらあかん。これはキツい…この部屋はもうないし、隣いこ」
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