愛は惜しみなく与う⑥
「昴さん!!!!」
机を押し退けて、声のする方へ
「…いて。朔?」
もう一つ机をどけようとすると、俺が触る前に机が動いた。
そしてその下から
「いやぁ…ほんとスコーピオンは頭いかれてるな。怪我ねーか?」
信長さんの腕に、ガッツリ抱かれている昴さんがいた
信長さん…
「いやぁ耳が痛い。おい坊主!引っ張ってくれへんか?何かの下に足が挟まって、動けへん」
信長さんは、引っ張ってくれと昴さんを差し出す。
「ははは、朔、敦子は無事か?」
「…はい。無茶しないでください」
昴さんが伸ばした手を取る
よかった
生きてる
「昴!!!!アホ!!」
うわぁ!
後ろから飛びついてきた敦子のせいでバランスを崩し、引っ張り上げていた昴さんが、信長さんに激突する
「いってーな!敦子、お前、まだここ危ないかもしれへんから、下いってろ!」
「うるさいうるさい!置いていかんといてよ!アホ!」
やれやれ
「あの…俺の足が死んでるから、何とかしてくれ」