愛は惜しみなく与う⑥
違和感は、みんな同じ所



「あとこれが…」


ボロボロのセーラー服を志木さんに見せると、ハッとした顔をする。



「青海学園の制服ですね。この…女性も、青海学園ですね」


ある女の写真を再び見返す

なんてことだ


そう呟いて志木さんはアルバムを置き、顔を覆ってしまった



「杏様になんと伝えれば…」



志木さんは完璧に何かが繋がったんだろう。

でも俺たちは、完璧には繋がらないんだ。何か違和感があって、嫌な予感はしたけど、ハッキリとは分からない。


少し杏に…妹に雰囲気が似たその女


アルバムのその女は、今手元にあるボロボロのセーラー服と同じような制服を着ているように見える。


「なんてことを……この方達の情報ありませんか?名前とか…何か手掛かりになるものはありそうですかね」


そう言う志木さんに、新はさっき持っていた、クスリの顧客リストの紙の束を渡した。


「ここに彼女達の名前があるかどうかは分かりませんが、個人情報は、これしか有りませんでした」


その紙をじーっと見て、クスリですね。と呟いた
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