愛は惜しみなく与う⑥
……そんなに私は、信用ありませんか?
まぁ言われてみれば、誰にも相談したことがありませんね。

勝手に判断して勝手に動いていた


それはとても、失礼な態度でした

杏様のためや、皆様のためと言いながら、自分のためだった。

でも


「泉と約束しました。隠さず伝えてあげてほしいと言われたので。今から、東堂に戻ります」


本当は、こんな状態で会えないと思ってたんですがね。
まだ痛む傷口を触る。

でも、離れていると、心配で気が狂いそうなので、そろそろ私も限界です。


「それは分かった。でもどっちにしろ、身元確認は必要だ。お前は杏に会いにいけ。俺は、敦子と美奈子を連れて、青海学園に行ってくる」


そう、ですね


「あたしらも杏ちゃんに会いたいけど、まだ勇気ないねん。やから、動かせて?でも、この子らは…会わせてあげて」


敦子は自分たちはまだ、杏に会えないと言う。その敦子の言葉に、昴も美奈子もうなずいた。


3人とも同じ気持ちなんですね…


「分かりました。ではお願いします。朔さん達は、一緒に東堂に連れて帰ります」


この人達にも、早く杏様に会わせてあげなければいけませんからね。
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