愛は惜しみなく与う⑥
「み、見た?」
「うん」
「はぁ…ほなもういい」
諦めたのか、それが見られたくなかったのか…見えてしまったことを正直に言うと、俺を押す力を緩めた
「見られたくなかったのか?」
「……寂しがりやみたいやん。気持ちが落ち込んだりしたら、ここに来るねん。こんな所に地下室あるなんて、誰も気づかへんやろ」
力なく笑う杏
確かに、畑の中に地下室は…わからないけど。
俺が見てしまったのは、部屋の一角にたくさん貼られた写真
チラリとしか見えなかったけど、杏の写真があった。
「見ていいか?」
「…うん、ええよ」
おそるおそるそこに近づけば…
「これ、学園祭の時の?」
たくさん貼られた写真の中で、1番初めに見つけたのは、学園祭の時の写真だ。
杏が持ってきた特攻服を着て、みんなで撮った写真。
その周りには、一緒に旅行に行った時の写真や、家で朔と響がゲームをしてる写真が貼ってある。
「元気出るねん。見て、この朔。新を枕にして口開けて寝てる。こんなん見たら…元気でるやん」
俺たちの写真の中にも、見たことのない人が映るものもある。
「うん」
「はぁ…ほなもういい」
諦めたのか、それが見られたくなかったのか…見えてしまったことを正直に言うと、俺を押す力を緩めた
「見られたくなかったのか?」
「……寂しがりやみたいやん。気持ちが落ち込んだりしたら、ここに来るねん。こんな所に地下室あるなんて、誰も気づかへんやろ」
力なく笑う杏
確かに、畑の中に地下室は…わからないけど。
俺が見てしまったのは、部屋の一角にたくさん貼られた写真
チラリとしか見えなかったけど、杏の写真があった。
「見ていいか?」
「…うん、ええよ」
おそるおそるそこに近づけば…
「これ、学園祭の時の?」
たくさん貼られた写真の中で、1番初めに見つけたのは、学園祭の時の写真だ。
杏が持ってきた特攻服を着て、みんなで撮った写真。
その周りには、一緒に旅行に行った時の写真や、家で朔と響がゲームをしてる写真が貼ってある。
「元気出るねん。見て、この朔。新を枕にして口開けて寝てる。こんなん見たら…元気でるやん」
俺たちの写真の中にも、見たことのない人が映るものもある。