愛は惜しみなく与う⑥
「そういえば、妹は…どこに行ったかわかるんですか?」

「私を刺したあと、ご丁寧に凶器を私の目の前に置いてどっかに逃げましたよ。刺されたのに、なんで私が証拠品を隠さないといけないんですか」


事件にもできないし、鈴はいなくなるし、目の前のナイフは車にしまいました。

普通なら証拠品で提出ですけどね


そんなことしませんよ。

杏様がサトルを刺した時の凶器も処分しました。私は掃除屋ではありませんよ、まったく。


「泉、お願いがあります」


不安そうな顔をしている泉に改めて頼みたいことがあります。

これまで杏様を思う気持ちを知っていたので、手伝って貰っていました



「ここまで杏様を守ってくれてありがとうございます。こちらに来て、杏様はとても楽しそうで、笑顔が増えました。
彼女の正体を知っても、何も変わらずに接してくださりありがとうございます。
一緒に戦おうとしてくれてありがとうございます。そして、もし可能なら


最後まで付き合ってくれませんか?」


命の保証もない
どうなるかもわからない戦いになりますが

泉は必要な存在です
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