愛は惜しみなく与う⑥

「薔薇の人たちも、きっとまだ、その時のことは忘れられないと思うし、ずっと心に残ってると思う。でも、後悔してない。これは絶対に言い切れる。

杏を守ろうと動いて起こった結果だ。そこに後悔なんて無いんだよ。杏も……そういう気持ち知ってるだろ??」


遠慮がちにコクリと頷く
特に杏は、人のために全力だからな。後悔なんてした事ないだろ。

結果はどうあれ、動かない後悔なんて選ばないだろ。


「でもな、皆んなあたしのこと嫌いになってるかも。あたしが悪いんやけどさ。守り方がわからへんくて、突き放して……傷つけて…スコーピオンはそこから薔薇に何もせんくなった。それでよかってん…

でも、まだ誰にも謝ってない。たまにここに来てみんなの写真を見て、後悔してる。
大事な仲間やったのに、傷つけて終わってしまったなって。」


そのまま杏は黙ってしまった。

ちょっと待てよ?
そう言えば志木さん……


朔達は、薔薇の幹部と一緒に居るって言ってたよな?
でも、杏には言うなって言われた。うーん

これだけその事が杏の中でトラウマになってるなら…言わない方がいいな
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