愛は惜しみなく与う⑥

「嫌いにならないよ」

「分からへんで。あたし酷いこと言ったもん。勝手に解散ってゆうて、もうみんな……いらないって言った」


…なるほどな
どうしてこうも、不器用な人が多いのか


「それ言って後悔してるんだろ?」

「うん…」

「じゃあ謝ればいい」

「……うん」


大丈夫、会えるから


そういう想いを込めて杏の身体を引き寄せた。  

俺も自分が頼ったばかりに、朔達みんなに怪我させて病院送りになったとか…想像すると

多分気が狂うな

突き放せばその脅威からみんなを守れるなら、迷わずそうする


「薔薇の幹部の人達のこと、教えて」


楽しそうに映る写真ばかりだからさ。俺も会ってみたいよ。
そう言うと杏は嬉しそうに返事をして、薔薇の人達の話をしてくれた。

その笑顔を見れるだけで俺は幸せだ。



「あたしが総長で、志木が副総長、幹部に昴と美奈子と敦子っておってん」


珍しい幹部構成が女3で男2


関東じゃありえない
レディースさえあんまり見かけないのに
< 315 / 430 >

この作品をシェア

pagetop