愛は惜しみなく与う⑥
目の前の志木に飛びついた
志木もスッと腕を広げたから
「アホ!アホアホアホ!!!」
「言葉遣い。アホなんて言ってはいけませんとあれほど…」
「志木のアホ!!あたしどれだけ不安やったか!!」
「……そうでしたね。アホで構いません。お待たせしました」
コアラのように志木にしがみついて、志木はあたしを赤ん坊でもあやすかのように、トントンと優しく叩く
あぁ
志木や
志木の匂いがする
居なくなってしまうんかと思った
「1年間、ただ働きにするからな!」
「手厳しい」
志木はそう笑った
「傷口は?」
「右側の横腹を少々」
なるほど。まだ痛そうやな
イソイソと志木から離れて志木の服を捲り上げる
「杏様?女性が男性の服を勝手に捲り上げるのは、いかがなものかと」
「うっさい、黙っとれ」
「はい」
傷口には包帯が巻いてある。
その包帯をはずしてみれば、痛々しい傷が残っていた。
何かに刺された跡が…
悔しいな
こんなに近くにいた志木さえも、守れへんにゃもんな
「ちょっと化膿してない?薬のんでる?」
志木もスッと腕を広げたから
「アホ!アホアホアホ!!!」
「言葉遣い。アホなんて言ってはいけませんとあれほど…」
「志木のアホ!!あたしどれだけ不安やったか!!」
「……そうでしたね。アホで構いません。お待たせしました」
コアラのように志木にしがみついて、志木はあたしを赤ん坊でもあやすかのように、トントンと優しく叩く
あぁ
志木や
志木の匂いがする
居なくなってしまうんかと思った
「1年間、ただ働きにするからな!」
「手厳しい」
志木はそう笑った
「傷口は?」
「右側の横腹を少々」
なるほど。まだ痛そうやな
イソイソと志木から離れて志木の服を捲り上げる
「杏様?女性が男性の服を勝手に捲り上げるのは、いかがなものかと」
「うっさい、黙っとれ」
「はい」
傷口には包帯が巻いてある。
その包帯をはずしてみれば、痛々しい傷が残っていた。
何かに刺された跡が…
悔しいな
こんなに近くにいた志木さえも、守れへんにゃもんな
「ちょっと化膿してない?薬のんでる?」