愛は惜しみなく与う⑥
もうちょっとゆっくり、みんなと話したかったけどな。
これから……いくらでも話せるからな


「泉、みんなのことよろしく」


今はひとまず、これからの事を話さなきゃいけない。

志木に連れてこられたのは、東堂組の中のあたしの部屋。あのラブリーな部屋ね


部屋に入った瞬間、志木はあたしを抱きしめた。


「本当に何もされてない?1番辛い時に……側に居てあげられなくてごめん…本当にごめん」


泣きそうな声でそう言った
みんな居たから我慢してたんやな。
ほんまやな
1番辛い時、一人やったな


「鈴が生きてるって知ってたん?」

「うん」


そっか

そうやんな

ずっとあの事を調べてくれててんやもんな。
あたしは逃げて……受け入れたって言い聞かせてただけやもんな


「全て知ったのは、鈴から聞かされてからで、貴方に伝えなくちゃいけなかったのに…私のミスで……」

「うん、ええよ。なんかさ、鈴が生きてて、サトルが婚約者で…いろいろ思うことはあるけど…ここまで来たからな。思えば、志木が解決しようとしてくれてたから、ここまでこれたんやで」
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