愛は惜しみなく与う⑥
意を決して一枚目をめくって、そこに映る写真を見て、吐き気がした

「杏様!?」

「だ、大丈夫」

あかんわ
見れるかな

鈴と同い年くらいの女の子の泣き顔

悲惨。

その一言


「こちらの女性を見てください」


志木は眉を潜めたまま、あるページに導く。そこであたしも、ハッとした


「……似てる。鈴に」


そこに写る女の子は、黒髪のボブで、見るに耐えない傷がいっぱいあるが、その顔は鈴に似ていた。

待って


「この子…ちゃうよな?」

「……この女性が着ているのは、青海学園の制服です」

「青海学園って…お嬢様女子校やろ?昴の彼女が居た…ところよな」.

「はい。そしてこれが」


志木は物は手元にありませんが。そう言って携帯で撮った写真を見せてきた。

そこには、ボロボロのセーラー服が

この女の子が来ている制服が写っていた


「これも、アジトで見つけたん?」

「はい、そうです。あの日のことが引っかかっていて…繋がってしまう気がします」


そ、か
そうやんな

鈴は生きてるんやもんな
じゃあ、あたしが確認したのは


違う人ってことよな
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