愛は惜しみなく与う⑥
「顔は……識別できひんくらい、腫れてた」

「はい」

「ただ、あそこで違う人になるとは…思ってないし…でも気絶してたし、それがどれくらいかも分からんし」


あたしは何をしてたんやろか
こんな大事なことやのに
ずっと逃げて…

もし、もし本当に知らない人を巻き込んでしまってたとしたら…



「どう、しよ。あたしらのせいや」

「待ってください。違うんです。それが言いたい訳じゃない」

「でも!!!!鈴に似てるから…それでこの子が選ばれてたら?」


たまたま似てたなんて、そんな事ないやろ

どこから念入りに練られた計画なんか分からへんけど


「杏様、落ち着いてください。だからこそ…私たちは確実に、サトルを追い詰めないといけません。この女性のためにも、そしてここに写る数々の女性のためにも…だからそれまでは…お気を確かに」


色々起こりすぎて、免疫ついてきた思ったけどそんなこと無いな

あかんわ

でもここで、泣いても意味ないよな
頑張らなあかん、あたしが


「青海学園いこか。行方不明になった人がいるかとか…この時間教師なら残ってるやろ」
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