愛は惜しみなく与う⑥
絶対に…勝つ


「あのさ、どうなるか分からへんしサトルの出方によるねんけどさ。どっか来いとかならさ、あたしだけ行っていい?」

「はぁ、無理に決まってるでしょう」

「いや、志木には来て欲しいけど、ぶっちゃけ見た感じ足手纏いやろ?」


そういうと、厳しいですねと苦笑いをした。でもそうやねん。傷口みたけどさ…

躊躇いもなく刺されたんやろな、鈴に


「みんなが居たら、頑張ろうって思えるけど、これ以上はキツい。志木の話からして、スコーピオンのメンバーは殆ど残ってないってことやろ?それなら……あたしだけでいい。雑魚が何人居ようが構わへん。サトルとだけ…」


アジトの爆発の話も聞いた。
何してくるか分からへんのが怖いねん。
でもあたしだけなら……


そんな風にはならへん。


「こんな事に自信持ちたくないけどさ、あたしがサトルに殺されることはないから。でもみんなは違う。邪魔なら殺すって考えの奴や。だから、あたしだけの方がいい」


話を聞く志木の顔はどんどん険しくなる。
気持ちはわかるよ。側にいたいって言ってくれる気持ちもわかる。
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