愛は惜しみなく与う⑥
「…まだ準備が…」

「準備ってなに?」


別に怒ってるわけじゃない。あたしのために皆んなが動いてくれて感謝してる。
でも…


「これ以上なにを準備する?2日で皆を鍛えるか?そんなんちゃうやろ?証拠もこれ以上ない。もうあとは…サトルを捕まえて、あの事件と…その他の事件のことを、吐かせるしかないやろ?
警察のことも、サトルから聞くしかないやん。もう……準備なんてない。出来ることはやったよ」


もう後は

サトルと話さなきゃ分からへん


「やから、鈴を探して。鈴は絶対こっちに居るから。サトルに接触しようとしてるから。先に探し出して」


「…それは、分かりました。優先させます。ですが…」


まだ何か言おうとする志木の口に手を当てる。
もう充分してもらったよ。

大丈夫



「皆んなが頑張ってくれたから、次はあたしの番や」



これで終わらせな

東堂がどうなるか、そこまで考える余裕今はないけど、鈴さえいれば…

多分大丈夫やからさ


「今日はみんなと居る。久しぶりやからな。いっぱい話して…幸せ与えてもらう。志木も行こう」


ふに落ちない顔をする志木の手を無理矢理ひいて、みんなのいる場所へ向かう


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