愛は惜しみなく与う⑥
「みんな、疲れは取れた?」


畳にコロコロと転がる朔と響
そして慧と新はお茶を飲んでいる

泉と…話終わったかな?

想像以上にくつろいでて面白い
だからあたしも自然と笑顔になる。

志木は話してからどんよりしたまま。分かりやすい奴やで、ほんま


「お前ほんとにお嬢様なんだな」

「何よ、今更?」

「いや〜ここに来るまで、はったり説があったからなぁ」


なんやねん、その説!
まぁ気持ちはわかる。
あたしも自分がお嬢様なんかと聞かれたら、素直にそう言えへんもんな。

自分で言うのもなんやけど、こんなお嬢様嫌やわ


「それにしても、家の方凄かったね。ここに来るときに見えたけど…お城じゃん」


慧は東堂の馬鹿でかい屋敷をみたのか、お城だとわらった。
たしかに、そう見えるかもな。洋館?ってゆうの?


「夜はお化けでそうやで」

「ば!やめろよ!俺らここに泊めてもらうのに」


朔はお化け嫌いやからなぁ


「杏?ちゃんと飯食ってた?ちょっと痩せた気がする」

「そうですね…少し痩せましたよ」


響は心配そうにあたしの腹あたりをガン見した
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