愛は惜しみなく与う⑥
うん、響?
あたしやからええけど、他の女の子の腹、そんなじっくり見たらあかんからな?

でもあんまり食欲はなかったな


「今日はいっぱい食べる」

「な、なら!俺作る!俺作る作る!」

響はぴょんぴょんと飛び跳ねて志木に、キッチンあるのか?と笑顔で聞いている。

少し険しい顔をしていた志木も、響の可愛さにやられて、笑顔でキッチンへ案内していた。

ほんま、みんな癒しやわ


「杏ちゃん、色々と大丈夫だった?今度はちゃんと教えてね。1人で動かないように」


慧にピシッと指をさされた
1人で…動くのが癖になってるんよな…


「そや、あれから桜さんは大丈夫?かわりない?」

「うん、元気だよ。ここに来る前も顔だけ見てきた」


そう言って慧は嬉しそうな顔をした。
素敵やなぁ〜はにかんで笑うから…

こんな男前が一途に誰かを想うのは最強すぎひんか??


「幸せそうな顔してる」

「ほんと?俺もたまに、杏ちゃんのそんな顔みるけどね」


……??
はて、あたしはそんな顔をしてるやろうか。あぁ、なるほど


「ふふ。今こうやって、みんなに会えてるんが、1番幸せやで」
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