愛は惜しみなく与う⑥
そうほっこりとした気持ちで眺めていれば、自分の携帯が鳴った。
基本はマナーモードなんですけどね。今日は色々ありましたので、1秒でも早く連絡に気づくために音の設定をしていました。

全員が振り返り私を見ます。

一応携帯を見てみれば、昴からでした。


誰?という顔を向けてくるが、昴のことは話せない。


「病院からです。信長さんのことだと思います」

「あ、そうか。信長、怪我したんやったな。大丈夫そ?でていいよ」


杏様は信長か。そう言ったので、とりあえず電話に出る。


「もしもし?」

『志木、今1人か?』

「いいえ?」

『ちょっと一旦離れて話してくれへんか?まぁまぁヤバい事になってる』


ため息まじりで話す昴
怪我をしたとかでは無さそうですが。杏様に昴達のことがバレたくないので、離れましょうかね


「なるほど。骨折ですね。雄作さんにはわたしからお話ししますよ。」

『は?骨折?何言ってんだよ!それどころじゃねーって』

「骨折治ってから杏様と話してください」

『は?杏が近くにいるのか?』


昴だとバレないように部屋を出たいのに、昴の声が大きすぎますね…


「信長なら、かわろか??」
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