愛は惜しみなく与う⑥
その後も、朔さんが、俺のこと敬ってるから、さん付けなのか!というふざけた発言を聞きながら…

どのタイミングでパソコンを使い出すかを悩んでいた。



「あーーーーーお腹痛い」



そして突然杏様は多いな声を出す。
女の子が腹痛を大きな声で訴えないでください。


「どうした?何か変なもんでもいれちゃったかな」

「違う!響のご飯は神がかってた!美味しすぎていっぱい食べすぎた!ちょっと…おトイレ!!」


…そこは御手洗い、です。おトイレは全然丁寧でもありません。

そのまま杏様は部屋を飛び出てトイレにダッシュした。


「俺、杏の腹痛いダッシュみるの、2回目だ」


響は苦笑いをして杏様の走り去った方を見ていました。
わたしも特に気にしてませんでした。いつも通りと言いますか…
杏様はお腹弱いんでね。胃腸薬でも渡そうかと考えていたら


ずっと静かにご飯を食べていた泉が立ち上がりました。


「泉、おかわりか?」

「ん?ちょっと杏を見てくる」

杏様を?


「志木さん、写真の女のこと分かったんでしょ?新もいるんで手伝ってもらってください」
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