愛は惜しみなく与う⑥
な、んと
私は分かりやすかったですか?


「え?なんだよ!分かったのか?」

「はい…先程の電話が昴からのものでして…」

「なんだよ!大事なことじゃん!何か分かったなら調べようぜ!」


そうなんですけどね
杏様は今いないんで話してもいいとは思うんですが…

果たして今これが、必要なのかどうか。

そして泉が気づいたなら…

杏様も気づいた?


「大丈夫だと思いますよ。特に疑った感じはしてなかったんで。じゃ、ちょっとお前らは、志木さんの手伝いしといて」


そのまま行ってしまおうとする


「杏を見てくるって、あいつトイレだろ?」

朔さんは、そこまでしたらストーカーだと苦笑いをしている。


「いや…うん。気になって」

「何かありました?」


おかしなところは無かったと思うんですが。



「……なんか、焦ってなかった?」

「そりゃ腹いてーなら、焦るだろ」

「……そういう意味じゃない」


少しむすっとして泉はお前らは待ってろ。そう言って部屋を出て行ってしまいました。
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