愛は惜しみなく与う⑥
たかく手を伸ばして、泉は真上を向いてあたしの携帯を操作する。


「俺が見てからちゃんと、ロックかけろよ」


あたしは暗証番号とか面倒でロックしてない。志木にめちゃくちゃ怒られるけど…見られて困るもんないから…

って!!届かへん!!


身長は低くはないけど、泉くらい高いやつが腕伸ばしたら、届くわけないやん!!!


そして泉はメールを見つけたのか



舌打ちした



スポンとあたしの手に携帯は戻ってきたが、画面を見てみれば、サトルであろう人物から送られてきたメールが開かれていた


シーンとなる
周りから組員の声とか聞こえるのに、すごく静かに感じた。


「1人で行くのか?」

「……まだ決めてないけど、そのつもりしてた」


そうか

一言だけ泉は呟いて何か考えるように腕を組んだ

えっと


気まずいねんけど

怒られるのはわかってたけど、いい策が見つからへんかった。

あたしは…ここの誰かを人質に取られたら、必ず助ける。
今度は傷つけへん。
そう決めてるからこそ…

初めから居ない方がいい

てゆうか分かってしまってん
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