愛は惜しみなく与う⑥
サトルのあの訳わからん性格と思考回路は、誰も理解できひんと思う。あたしも無理や。理解できる気は1ミリもない

でも


こうなってしまう前の話なら…分かる気がするから。
話が通じひんのも分かってる。でもどうしても知りたい


あたしは…全て知った上で、様々な決断を下さなきゃいけないから。


鈴の事も
家の事も
如月財閥の事も

今後の自分の生き方も


後悔ないように、自分で確かめて自分で決めたい。

だから…


ってゆうのは、あたしの気持ちで、あたしが勝手に決めたこと。

でもみんなにとっては、そうじゃなくて…守ってくれようとしてるのも分かってるし、1人で行くことが裏切りなのもわかってる。

ギリギリまで悩むつもりやったよ


泉が気付くから…



「メールは、もう見たか?」


黙っていた泉は顔を上げてあたしの目をじっと見つめた


「みんなが居るところやと、動揺しそうやったし、パッとしか見てないねん。もっかい見ようと、トイレきた。まぁお腹痛いのはほんま。ストレスかもやけど」
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