愛は惜しみなく与う⑥
そしたら、東堂を守るために…
婚約者はおらんくなるし、気は楽やし

でも

違うよな



「約束する。ちゃんとあたしが…話聞く」


あたしもそう願うから

とりあえずさ


「おろしてくれへん?」

頭下向いてるから、頭に血が上ってきたで?


「場所はどこだ?」

「……言いたくなi ぎゃぁぁああ!!」


しぬしぬしぬ!!!
泉はあたしを担いだままぐるぐる回り出した。いや、ほんまやめてくれへん?

あたしの声に気づいた組員が何人か心配そうにこちらに来る



「嬢!!大丈夫ですか!?」

「大丈夫ちゃうわ!!今すぐ助けろ!」

「おい、泉なにしてんだ」


組員が泉にそう声をかけて泉は、ようやく止まった。
おえ、、、気持ち悪い


「何って……拷問?」


はぁ
つかれた

拷問って……


そっとあたしをその場に下ろした泉は、組員を一切見ずに、あたしの顎に手を当てて、視線を無理矢理合わせさせる。

噂の顎クイや


全然シチュエーションちゃうけど!!
むしろ怒られそうやねんけど!!


「場所は?」
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