愛は惜しみなく与う⑥
「海沿いにな、何年か前に潰れた診療所があるねん。そこや。あたしが……半年前、戦ったのは」
目を閉じればあの場所が鮮明に浮かんでくる。
周りにあったものすべて覚えている
その時の会話も全て覚えてる
そして頭に映像が流れて、胃から何かあがってくる感覚になり、お腹を抑えて床にしゃがむ
「杏?大丈夫か?ごめんな」
その後ずっと泉は、あたしを抱きしめたまま謝り続けた
ほらな
こうなるからさ
誰にも見せたくなかってん
ぐちゃぐちゃで、いつものあたしで居れる保証なんてないから。
みんなが大事にしてくれた杏のままで、この事件を終わらせることはできひん。
しんどいな
「無理やねん。思い出しても吐きそうになる。まともに精神保ってれる気がせんねん。みんなにそんな所見られたくない」
「うん、ごめんな…ごめんな」
泉は悪くないのにね
なんで謝らせてるんやろか
「あたしは弱い。一回生きることを諦めたからさ。これ終わった後、普通に生きていけるんかも分からへん。嫌になりそうで怖い。もう、全部怖いねん」
目を閉じればあの場所が鮮明に浮かんでくる。
周りにあったものすべて覚えている
その時の会話も全て覚えてる
そして頭に映像が流れて、胃から何かあがってくる感覚になり、お腹を抑えて床にしゃがむ
「杏?大丈夫か?ごめんな」
その後ずっと泉は、あたしを抱きしめたまま謝り続けた
ほらな
こうなるからさ
誰にも見せたくなかってん
ぐちゃぐちゃで、いつものあたしで居れる保証なんてないから。
みんなが大事にしてくれた杏のままで、この事件を終わらせることはできひん。
しんどいな
「無理やねん。思い出しても吐きそうになる。まともに精神保ってれる気がせんねん。みんなにそんな所見られたくない」
「うん、ごめんな…ごめんな」
泉は悪くないのにね
なんで謝らせてるんやろか
「あたしは弱い。一回生きることを諦めたからさ。これ終わった後、普通に生きていけるんかも分からへん。嫌になりそうで怖い。もう、全部怖いねん」