愛は惜しみなく与う⑥
もう、後戻りはしない


10人か。1人でもなんとかできそうと思ってしまうけど、何をしてくるか分からないから、1人は危険だな。

志木さんの怪我が治ってればよかったんだけどな。


杏を部屋に送り届けて、すぐに志木さんに電話をする。

もう躊躇う暇もないから


『あなた達、何かありましたね?』

「はい。今からそっちに戻るんで、待っててもらっていいですか?雄作さんも呼んで欲しいです」

『…ええ、わかりました』


さて、誰を連れて行こうか。悩ましい


普通に喧嘩する分には…
10人くらい相手はできるけど、水瀬も居ると思えば…また何をしでかすか分からない。

組員さんを連れて行くには…


こっち側も手段を選ばなさそうで困る


志木さんも、キレたら普通に殺すとか言いそうだからな…

そして俺も


歯止めが効くかどうか怪しい

俺のストッパー役に朔を連れて行くか?
でも…サトルの話を少し聞いただけで思った。

朔と少し昔の環境は似ている


だから、あんまり話を聞かせたくない気もするし、きっと俺たちのことを調べあげてるはずだから。

朔を傷つける可能性もある
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