愛は惜しみなく与う⑥
それならどうするかな

「誰か杏様のそばに残ったほうが良くないですかね?もし…杏様が気づいて追ってきたら?それこそ危ない」

「そうですね。雄作さん頼めますか?」

「俺じゃ杏は止めれねーだろ。むしろ気づけば、誰にも杏を止めれねぇ。わかってんだろ?」


そうだ
杏がどのタイミングで気付くかは分からないけど、俺が夜中に部屋に行かなければ、杏はおかしいと思う。

部屋からは…出れてしまうんだよな


3時間


杏が気づいてしまいそうな時間まで


終わらせれるか?


普通の抗争は1時間あれば終わる。

でもこれはどうだ?読めない


迷う時間もない



「3時間で終わらせましょう」


志木さんはため息をついて立ち上がった。
杏がおかしいと思っても、俺が何か仕事を任されて部屋に来れないのかも…
とも思うだろうと。

そう、だな


行こう



「杏様のことを…頼んでもいいですか?」

志木さんは雄作さんを見つめる


「はぁ…言われなくてもそうする。杏を行かせないようにする。強硬手段取られるまで…な」
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