愛は惜しみなく与う⑥
アホ面のままやったと思う


目の前に3人が…飛び降りてきた


そしてあたしの頭を全員が順番に叩く

意味わからん
痛いし
めちゃ痛いし


「久しぶりだなー?杏」
「杏ちゃん口開いたままやで?」
「あんた、男をたぶらかしてるらしいじゃないの!」


いやいやいや
よくわからへん


「なんで……ここにいるん?」


月並みな言葉しか出てこない。語彙力もなにもない。頭も動かへん

でもソッと触れれば温かい


「そんな潤んだ目で触んなよ。ん?なんだ?誘ってるんか?」


やばい、なんなん


「昴や…」


夢でも見てるんちゃうやろか
半年前、全員を傷つけてでも離れなきゃならなかった。

あたしの大好きな3人がここに居る


「敦子…美奈子…」


「何泣きそうな顔してんのよ。時間ないんでしょ?志木からも連絡こないから、待てなくてあんたを迎えにきたのよ」


どういうこと?志木?


「朔くんとかも連絡繋がらへんしなぁ。何かあったんやと思うんやけど」


なんで敦子が朔の名前を呼ぶの?

なんで知ってるん?
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