愛は惜しみなく与う⑥

あたしが家のことを話さないから、みんな、何も聞かないようにしてくれてた。
あたしはそれに甘えた

こんな形で招待するつもりなかってんけどな。


「お前らどうやって入った?」

「あーーーちょっと、5人くらい、やっちゃった」


昴は語尾に星でもついてるのか、キラーンと笑う。はぁ、一応ここ、ヤクザの家やで?

まぁ


「みんなのそーゆうところ、好きやで」


意味わからんけど、あたしを迎えにきてくれたってゆうたから。



「あんたら鈍ってないやろな?」

「「「おめーだろ!?!?」」」


ふふ
息ぴったりやん


「ここに居る人たちは、あたしの大事な家族やねん。でもちょっと頑固で…過保護やから夜中に家出て行くの難しくて」


ぐるりと雄作さんを先頭に、あたしを見守る組員を見る



「みんな、大好きやで!!でも行かせてくれへんなら、一発全員殴らせろ」


満面の笑みで笑えば、組員全員が苦笑い


そうか

雄作さんだけやな


3人には待っててもらって、腕を組みあたしを見つめる雄作さんの前にいく
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