愛は惜しみなく与う⑥

「我ながら手のかかる娘やと思う」


ずっとずっと…あたしが心を閉ざして引きこもって、志木以外と話さなくなってしまったときから


雄作さんはずっと、あたしを可愛がってくれた

可愛い自慢の娘やって、言い続けてくれた
帰る場所があることも教えてくれたのは雄作さんや


「ワガママばっかでごめん。迷惑かけてごめん。心配ばっかかけてごめん」


あたしならこんな娘いらんもんな


「最後のワガママきいてほしい。行かせてください。頑張ってこいって…雄作さんに…お父さんに送り出してほしい」


パッと顔を上げて雄作さんの顔を見た


なんでよ



「泣かんといてよ…」


威厳ある東堂組の組長が…泣いたらあかんって

ポロポロと目から涙がこぼれる雄作さん

その頬に手を伸ばしその涙を拭う


「ほんと、手のかかる娘だよ」


グズグス鼻を啜りながら言う


「手がかかるほど……可愛い」


そしてギュッと抱きしめてくれた。優作さんは大きいから、すっぽりと腕の中に収まる



「頑張ってこい」
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