愛は惜しみなく与う⑥
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「なぁ、なんで居るん?」

「は?迎えにきたって言っただろ」

いやいや、説明不足すぎるで?
家を出てみれば、家の前に車が止まっていて、それに4人で乗り込んだ。


「志木からサトルの所へ行ってくるって電話が来たのよ。それであたし達は?って思ったけど、あんた抜きで、あんたに隠して行ってるって聞いたから…」


「とりあえず連絡待ってたんやけど一向にかかってこんし、杏ちゃんに言わずに行ったなら、そろそろ杏ちゃん暴れ出す頃かな?思ってさ」


いや、そこは分かったけど、なんで志木といまだにそんな繋がってるん?
あと泉とか朔とかも…

聞きたいことはいっぱいあった

でも、うまく言葉にはならない


「3人でサトルのところへ行こうとしたんだけどさ。俺たちからすれば、これはリベンジマッチだ」


昴はハンドルから手を離して拳をつきあげる。そんな昴の隣に座っていた美奈子が、昴を睨みながらハンドルに手を添えた

あぁ

いつもと変わらへん


「お前らは、誰かのために戦おうとする。今回もそうだ。どーせお前は1人で行こうと思ってたんだろ?」

「……その通りです」
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