愛は惜しみなく与う⑥
後部座席の隣に座る敦子は、あたしに抱きつく
ずっと、気にかけてくれてたんやな
「あんな中途半端な突き放し方、2度とするんじゃないわよ」
「ご、ごめんな」
「ほんとに…あんな泣きそうな顔で解散って言われても…誰1人納得できなかったわよ」
そう、か
うまくやれたと思ってたのにな
車であの場所へ向かう途中、3人は今までのことを話してくれた。
あたしが解散やゆうて、東堂杏が行方不明になったってゆうニュースをみて…
それぞれが新しい道に進む途中、いつもあたしのことが気がかりやったって。
志木から…みんなを頼ってくれたんやな
志木はいつからこんなに動いてくれてたんやろうか。
そのあと、関西に来た朔達を助けてくれたのはこの3人やった
色々話を聞いて、まだ聞き足りないけど
「そこの角曲がって」
あの場所は近づいてきた
隣で手を繋いでた敦子が『大丈夫』と言いあたしの手を強く握った。
見覚えのある景色
呼吸が荒くなる
息もしづらい
でもとうとうきたんや
かならずここで、決着をつける
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