愛は惜しみなく与う⑥
水瀬の過ち
「20はいるぞ」
ため息混じりの声
まぁ、元から10人なんて信じていた訳ではないけど。なんならもう少しいるようにも思える。
静かな場所
本当に人がいるのかと疑問になっていたところだ。
泉と志木さんを先頭に歩いていたが…泉はすごいよな。
初めてのこんな奇妙な場所なのに、躊躇いもなく進んでいくんだから。
「朔、怖くない?」
隣の響は、ネタとかではなく、本気で心配してくれているらしい。
こわいよ!!お化け出てきそうだし!!でもそんなこと言ってらんねーだろ?
「泉?あなたズンズン進みますね。足場も悪いですし慎重に」
「うん…でも今は身体が進む。床抜けて下に落ちたら助けに来いよ」
ニヤッと笑って泉は俺をみた。
ばーか。落ちるなよ。助けに行けるわけねーじゃん!!!ただでさえお化けがでそうなのに、地下なんて……ミイラがいそう
「本当にいるのかな?気配が全然しないけど」
慧は不安そうにぐるりと辺りを見渡す
そんな心配もいらなかったみたいだ
目の前からゾロゾロとお出ましだ