愛は惜しみなく与う⑥


もしあたしが原因でそんな顔をさせてるなら、謝りたい


「ここまできたら何でも話すよ。確認したいことって何?」


サトルが如月冬馬で
鈴は生きてて
あたしを2人で嵌めてたってゆうんやで?

もう

何も失うものはないよな



「杏は……妹のフリをしてるのか?」



それを聞いてドキッとした

そうか
あたしは泉に話してないよな
妹のフリしてるなんて


「その顔は肯定として受け取るぞ?」

「……どしたん。めちゃ怒ってるやん」


あたしはもうどうしたらええか分からへん。
泉が来てくれて嬉しいけど

でももうどうしようもないねん

何も……


頑張ることができひん



「怒るに決まってんだろ?何笑ってんだよ!何で諦めたように笑うんだよ!!!杏が諦めたら…俺たちどうしたらいいんだよ!」


初めて泉に怒鳴られた

怖いとかそんな感情はない

ただ物凄く、泣きたくなる



「なんでそんな悲しい選択してんだよ!俺たちは、杏と一緒に居たんだ!杏だから皆んな好きになったのに。


………自分で自分を捨てようとするなよ」


お願いだからそんなこと言わないでくれ
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