愛は惜しみなく与う⑥
「かわいい」
あたしの唇から離れてあたしを見る泉は、自分の唇に親指を当てて、下唇を舐めて言った
……!!
あかんあかん!
は?我に返ったわ!!
なんやその色気!
てかあたしは何をしてるんや!!!
ようやく自分にツッコミいれれた。
泉を押し返そうとするも、流されまくった時に、泉はあたしの手をベッドに押さえつけてたのか、手が動かせない
「ん?もうやめるの?」
「いやいや!ちょ、色気出すな!それどころじゃないねん!」
「いや…杏が自分を大切にしないからさ。俺がその分大切にしてやらなきゃって」
は?何?この人何ゆうてんの?
それどころちゃうやん。は?
終始腕を振りほどこうとするが、動かない
「ちょ!」
ニコニコ笑ってた泉の顔がまた近づいてきて、ギュッと目を閉じると、目の横にキスをされた
え?
「嫌?」
「嫌とかじゃなくて!!ちょ、わかってる?あたし妹に騙されててんで?ほんで婚約者サトルやで?え?なになに!」
そのまま言葉を続けようとしたのに、うるさいと一言
再びあたしはキスをされる